2025/03/31 18:34
あったらいいなを形に 物を通じて想い出を

はじまりの想い
こんにちは、水引作家「たまゆらら」のあさみんです。
私はもともと看護師として、終末期の患者さんと関わる日々を送っていました。そんな中で出会ったのは、人生の最期に「ありがとう」と笑顔で旅立つ方と、不満や後悔を抱えたまま別れを迎える方。
その違いは、“人に大切にされてきた経験”や“誰かを大切にしてきた時間”の差なのかもしれない——そう思ったんです。
本当は感謝しているのに、うまく言葉にできなかったり、強がってしまったり。気持ちを伝えられないまま、すれ違ってしまうこともある。
だからこそ私は、言葉にできない想いを形にして届ける手段として、水引作品をつくるようになりました。
一瞬の出会いから、生まれる物語
ブランド名「たまゆらら」は、 古語で“一瞬”を意味する「玉響(たまゆら)」と、 人と人が出会い、響き合い、楽しい想い出を重ねていく「楽(ら)」を合わせた造語です。
勾玉を人に見立て、ふとした瞬間の出会いや、心が通じ合った時間を大切にしたいという想いが込められています。
作品に込めた願いと、手に取ってくださる方の想い出が重なって、初めて「たまゆらら」の作品は完成します。
"その先の物語"が始まる作品づくり
きっかけは、大好きなピアニストのファングッズづくりでした。
友人にプレゼントしたときに喜んでもらえて、「自分の手から生まれたものが誰かを笑顔にできる」という体験が、私にとっての原点です。
その中の水引のト音記号が「ご祝儀袋にできないか?」と声をかけてもらい、オリジナル水引作品の制作が始まりました。
そして、その作品がきっかけで出会ったのが、音楽と本と猫がテーマのカフェ「Cafe'Mo.free」さん。
年1回作家仲間とグループ展を開催しており、三毛猫さんシリーズ誕生のきっかけとなったグループ展です。
お客さんとのつながりの中で、"モノ"ではなく"モノが繋いでくれる物語"を届けている感覚が強くなっていきます。
私の作品のこだわり
たまゆららの作品は、水引の「結びの意味」、 花言葉、色の持つ力を組み合わせて、 一つひとつに願いやストーリーを込めて制作しています。
「お気に入りの色を身につけたい」 「大切な人に想いを届けたい」 「特別な日の記憶に残るアクセサリーを探している」
そんな方の声を大切にしながら、 オーダーでは細かくヒアリングして、一緒に作品を育てていきます。
また、作品が届いたあとの体験まで見据えて、 取扱説明や素材のこと、色落ちや変化のことなども、丁寧に伝えるようにしています。
作品が「育つ」時間も含めて、その人だけの宝物になってほしいから。
音のように、共鳴して広がっていく願い
たまゆららの願いは、 誰かの心にそっと灯火をともすような、 そんな小さな“やさしさ”の波を広げていくこと。
言葉にできなかった想いや、素直になれなかった気持ちも、 作品を通して届くことがある。
喜ばれることで、自分自身の心にも小さなぬくもりが生まれる。
そのぬくもりが、また誰かに伝わっていく。
—— まるで音のように、やさしく反響しながら。
一瞬の出会いが、想いの余韻となって、 人生という物語の中に、静かに残っていく。
たまゆららの作品が、そんな記憶のひとつになりますように。
あさみん 水引作家 / たまゆらら